「ひとりじゃなかったから、あたし、強くなったの。お母さまはひとりで戦ったけど、あたしが一番になれるのは、ふたりのときなの。聞いて……。あたし、せんせといっしょだと、何だってできるのよ。あたし、せんせとふたりでも、きっと<神>と世界に立ち向かえる」
今回は、<協会>と<連合>が、核を持つ<九位>をどう相手取るかについて話し合う会議が開かれて……というところから始まるお話です。
いやあ、面白い。なんといっても、メイゼルの母・イリーズの話は、引き込まれるばかりでした。魔法使いとして純粋だからこそ、ついていけない者にとっては、恐怖の対象だったんだろうなあ。高位の魔法使いが集団で向かったときに見せた力には、圧倒されるばかりでした。
それにしても革命のために……という思いが、彼女の命運を分けるとは、なんたる皮肉なんだろう。メイゼルとしても衝撃は大きかったと思うけど、あそこで憎しみを受けて開花していく姿は……どう思えばいいのか悩むところ。
とはいえ、ある意味メイゼルのおかげで、あそこにいた民は救われたんだなというところが興味深かった。<地獄>に落とされたことで、仁と出会うんだから、なにが不幸でなにが幸せかってのはわからないですよね。
つなぐ「手」を見つけたメイゼルがどんな思いでいるかを考えて、じわりとくる。
仁のほうはというと、幸せを掴むためにと言いながら、戦うことしか考えてないように感じてしまうのは、不器用だからと言うべきか。きずなとのやり取りは、息苦しくなるばかりだったけど、それがああ言う展開を生むとはなあ。
これからきずなは辛くなると思うけど、支えてあげることができるのかしら。
下手すると……というか下手しなくても、きずなを取り巻く環境は苛烈になりそうで、うわ、これはほんときつそう。
会議の場での緊張感あふれる話し合いの間に、予想通りの邪魔が入ったけど、これはまだ序章にすぎないのかしら。ぎりぎりのところで抜け出たとはいえ、「大人の事情」から逃した敵が、どんな牙をむいてくるか……それ以上に、<連合>の様子も気になるけど。
と、怒濤の展開にシリアスになってた僕の前に現れて、全部ぶちこわしてくれたハウゼン。あんた好きだ。
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長谷 敏司
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