Home > ライトノベル > [長谷敏司] 円環少女(サークリットガール)5 魔導師たちの迷宮

[長谷敏司] 円環少女(サークリットガール)5 魔導師たちの迷宮

神聖騎士団から核爆弾を奪取したワイズマンは、その核を古い地下鉄車両に乗せて、東京の地下を走らせていた。もしもそれが爆発すれば、百万単位の犠牲が出ることは想像に難くない。「公館」はすべての人材を投入して事態にあたり、さらに、武原仁は、敵方に捕らえられたきずなと瑞希を奪還するために、東京を駆け巡るが……

ワイズマンとテロリスト、さらに彼らに協力する魔法使いを相手取り、「公館」が東京の地下を縦横する核を奪還するというお話です。

核テロのみならず、「魔法使いの弾丸」まで持ち出して、悪鬼にまで手を伸ばそうかというワイズマンの思惑に対して、「公館」が後手に回ったり、裏をかかれたりしたと思いきや、待ち構えていた≪茨姫≫の圧倒的な力に言葉もありませんでしたね。すごい。読んでると体が痛くなるほどムゴいですが、すごい。
さらには、ハウゼンすらあっさり退ける≪鬼火≫の力や、数多くの多くの敵を仁が倒してと、さすが「公館」という感じだったのに、嫌な感じがずっと付きまとう雰囲気があるので、ずっとドキドキでした。

それは、囚われのきずなの不安であったり、今までどちらかといえば安全圏にいた京香が狙われたりということもあるんでしょうけれど、何といっても、仁そのものが揺れてたからでしょうね。
自分たちと相手がやっていることの違いは何なのか。
今までも持っていた疑問が、京香とのやり取りで、次第に膨らんでいくところは、どちらの言い分もわかるだけに心苦しいものがありました。

そんな迷いを消してくれたのは、やはりメイゼルでしたね。戦闘に参加しなかったため、出番が少なかったんですが、その存在感と言動には、悩んでることをすっきりさせるような清涼感がありました。やはり、仁にとってはメイゼルの存在が大きいんだなあ。

迷いを失くしたという意味では、エレオノールもそうかな。彼女にとっての神をもう一度、見つめなおすところを見たときには、どこにも属さない存在のこともあって、ひょっとしたらこの人が鍵になってくれるのかもしれないと思いました。

意外なところで繋がりのある人たちの過去に驚き、枝分かれしていた人たちが出会いには、さらなる動きを予感させましたが、いろいろな思いがすべて吹き飛ばされたのは、メイゼルが受けた衝撃のシーンのせいです。ほんの少し前までの会話の温かさが、一瞬にして冷え切りました。メイゼルのイラストを見て、言葉を失うなんて思いもしなかったです。
きずなが見た「文字」のことまで思い出して、どうなるのか不安でいっぱいでした。

迷っていた仁が、最悪の形で試されることになった「問い」によって、覚悟を決めましたが、いったいどうなるんでしょうか。あまりにも予想がつかない展開に、心の興奮が治まりません。
続きがどうなるのか、気になって気になってしかたないですが、大いに期待して待ちたいと思います。

「この世界は地獄じゃない―」
仁の言葉が伝わってくれたら……

円環少女 5 (5) - 長谷 敏司

円環少女 5 (5)
長谷 敏司

角川書店(文庫)
Amazon | bk1


関連エントリー
[長谷敏司][角川スニーカー文庫][ライトノベル]

Home > ライトノベル > [長谷敏司] 円環少女(サークリットガール)5 魔導師たちの迷宮

Trackback:4

TrackBack URL for this entry
http://www.booklines.net/mt/mt-tb-t.cgi/1606
Listed below are links to weblogs that reference
[長谷敏司] 円環少女(サークリットガール)5 魔導師たちの迷宮 from booklines.net
[書評][長谷敏司][円環少女][神秘/奇跡/魔法][アクション][トラウマ/エグい][★★★★]円環少女5 魔導師たちの迷宮 from いつも感想中 2007-05-02 (水) 16:30
円環少女 5 (5) 作者: 長谷敏司 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/04 メディア: 文庫 作者すらがあとがきで「文章もよみやすく...
[感想][★★★★☆][長谷敏司]「円環少女(5)魔導師たちの迷宮」 from ただ、それじゃ終われないでしょ! 2007-05-03 (木) 11:03
「……今日は、あんたの、恥ずかしい写真の撮影会をしようと思うの」 「なに突然言い出すんですか!」 「どうして自分のいやらしさって、ひとりじゃわからないの...
円環少女〈5〉 魔導師たちの迷宮 from MOMENTS 2007-05-16 (水) 00:01
読了。 またしても強烈な引き。これまでの淡々とした地味目の展開を一気に吹き飛ばしてしまうような急転直下の超展開。終盤まで動きがないなあと思っていたら、とん...
円環少女 5 from 愛があるから辛口批評! 2007-06-08 (金) 00:58
円環少女 5 (5) 作者: 長谷敏司 出版社/メーカー: 角川書店 発売日: 2007/04 メディア: 文庫 「専任係官強し、とおもったらこんな急展...

Comment:0

Comment Form
Remember personal info

Home > ライトノベル > [長谷敏司] 円環少女(サークリットガール)5 魔導師たちの迷宮

Search
お気に入り

異形の王子と毒を吐く少女の恋の物語

4048700588

他人を寄せつけぬ毒を載せた言葉を吐いていた少女が、王子と伝承と出会ったことで、信じる思いを紡ぐようになる、その祈るような思いに涙しました。懐かしき人たちとの再会もまた素敵。→感想


それは血の繋がらない家族の物語。

4048700480

大きな山や谷があるようなお話しではないんだけれど、クセのある七人のきょうだいが共に暮らすその家には、じんわり温かい家庭がありました。それぞれ抱えているものはあるけれど、この家族ならきっと支え合いながら乗り越えてくれると信じてる→感想


それは「夢利き」が語る人の夢の物語。

夢の上(1) 翠輝晶・蒼輝晶 多崎礼

最高傑作級!辛くとも好きな人と共に歩める幸せ、あるいは人の夢に乗る幸せと切なさ。独立しながら、リンクする物語は、温かさに、人を想う気持ちに満ちあふれて、胸が熱くなる。人が人と出会うことの素晴らしさは、時に眩しくもあり、切なくもなるんだなと思いました。→感想


江戸時代。新たな暦を作る偉業を成し遂げた渋川春海の物語。

天地明察

最高傑作!碁打ちであり、算術家でもある男が、打ちのめされ挫折して挫折して挫折して、でも夢を忘れられず、立ち向かう姿に、どれほど興奮させられたか、泣かされたことか!さりげなく描かれる恋も素晴らしく、読み終わりたくないとこれほど思った作品はありません。 → 感想


左遷された北嶺で隠居生活を堪能しようとした史官ヤエトの前に、皇女が太守としてやってくるお話。

翼の帰る処 上 (1) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-1)翼の帰る処 下 (3) (幻狼FANTASIA NOVELS S 1-2)

中間管理職的苦労に悩まされるヤエトの姿がとても楽しいですが、それだけじゃなく、北嶺と帝国の歴史的秘密が見えてくる展開に興味を惹かれること請け合い!超オススメです!→上巻感想 / 下巻感想


普通の社会人であるこかげが、異世界の騒動に巻き込まれるお話。

wonder wonderful 上wonder wonderful 下

やさしさで涙する物語でした。あ、もう最高!王宮話やら恋愛要素やらも非常に楽しく、読み進めるにつれてゴロゴロ転がりまわりたくなること必至です!今年一番のオススメ!→感想 上/ 感想 下

なかのひと

Page Top