ついに始まった聖魔グランプリ。スタート直後にエルシアの放った魔法によって、大勢が脱落した中、かろうじて被害を逃れたヒデオ×ウィル子ペアと貴瀬×リリーペア、そして翔希×エリーゼペアが、先を行くリョータ×エルシアペアを追いかけるというレース展開に。お互い妨害を繰り広げ、一進一退のレースが繰り広げられていたそのとき、30分遅れでスタートしたペアが、一躍トップ争いに食い込んできて……
目つきの悪さからどこの会社も雇ってくれないニートなヒデオと電子精霊のウィル子が、はったりで「聖魔杯」へ挑むお話ですの第三弾。前作の最後に開始された「聖魔グランプリ」のスタートから物語の幕が開きます。
いやあ、熱い!ほんと熱い!主要キャラたちが仕掛けるデットヒートなレースは、まさに手に汗握るものがあります。ヒデオたちよりも、むしろリリーを応援しちゃう自分がいたんですが、「奇跡の対価」のシーンで一気にボルテージ上がりました。ヒデオ格好いい!!そんなヒデオの心意気を受けて走り出すウィル子もよかったなあ。
傷つき、体の感覚がなくなろうとも、それでも約束のために歩み続けたヒデオの益荒男っぷりに惚れました。これは美奈子との仲も……とニヤニヤしてたら、なんですか、次のお話でのグダグダっぷりは。返せ、あのときの感動を返せ!と思わず言いたくなるものがありました。
まあ、ヒデオらしいといえばヒデオらしいけど。
熱さ満載な聖魔グランプリの「奇跡の対価」、セイレーンとの勝負に思わず楽しくなっちゃう「私を地中海に@連れてって」と続いた後の短編「既知との遭遇」は笑いまくりました。MMMRとか「なんだってー?」ぐらいなら、ふっ、と鼻で笑える余裕があったんですが、すもーくでやられました。馬鹿だ。ほんと馬鹿だ。
とりあえず、ヒデオのおかげで人類は助かってよかったねってことで、爆笑。
そして、前作同様アナザストーリィが収録されていて、リョータ×エルシア組の地下ダンジョンの冒険に、リリーとヴィゼータがついていくって、最強すぎるんですけど。案の定、ザコどもがぼっこぼこにされていくところはいっそ爽快だったりしますが、話が動き始めてからは、シリアス一辺倒だなあ。ファミリーの敵を前にして、動くことができなかったときの心情は、自分の弱さを目の当たりにするようなものだから……認めたくなくとも突きつけられる事実が痛いです。
こういうときに、容赦なく動けるあたりが鈴蘭たちの強さだよなあ。チカラそのものよりも、心構えが違う。仲間との信頼関係も影響してくるんでしょうけれど。
そういう意味では、最後にエルシアが突きつけた言葉は、今までと違う二人の関係を見せてくれるのではと思わせてくれますね。ま、それ以上に、禁忌とリョータの関係が気になりますが。
いずれ本編ともリンクしてくると思うけど、今後「聖魔杯」がどうなっていくのか、とても楽しみです。
戦闘城塞マスラヲ Vol.3 (3) (角川スニーカー文庫 150-13)
林 トモアキ
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