「じゃあ……ラピスは<銀の騎士団>については、なにか知ってるの?」
「知ってるのは、首領にあたる騎士総長ジェラール・ド・モレーの噂だけ。それも一言、昔あにさまの言ってたのを覚えてるだけ」
「……それでもいいから、教えてくれる?」
みかんの言葉に、ラピスは小さくうなずいた。
「あにさまいわく ― 狂乱の騎士」
魔女、陰陽師、錬金術師などなど、複数の魔術系統を集めた魔法使い派遣会社「アストラル」の活躍を描くシリーズ。今回は「アストラル」のメンバーに大きな変化が訪れ、それでも、いつきは想いを胸に自分の力で前へ進んでいこうとする第三部開始の物語です。
いつきが強くなったなあ。猫屋敷や穂波が、人質として協会の仕事につき、アディリシアもまたその立場から、アストラルを離れざるを得なくなり、戦力ダウンは否めないんですが、かつてほどの力はなくとも妖精眼を使い、残ったメンバーたちそれぞれが力を強めていって、何とかアストラルを立てなおそうとする彼の姿勢に、無茶しやがってと思いつつも、応援したくなるものがあります。
きっと傍にいる人たちよりも、遠くはなれてしまった人たちの方が、いつきの想いが感じられて、心打たれたんじゃないかなあ。どんなときでも、支えがあると、人って強く慣れますよね。
しかも、力だけじゃなく、したたかさも学んで行くあたりが、何とも成長した姿を感じます。弱気なんだけど、なんでしょうね、この微妙なところで強気になるのは。
以前、業務提携を断った「銀の騎士団」と連絡を取り合い、その上でやってのけたことは、あまりの痛快さに拍手したくなりましたよ。
もちろん、賭けの部分が多かったと思うけれど、やり遂げたことに、そして勝ち負けではなく、信を置くためのものである戦いであったことにしびれました。こうやって仲間が増えて行くのは、嬉しい限りです。
まだ、いつきの道は始まったばかりで、長い道のりがあると思うけれど、それでもこの一歩が、いつかの一歩に繋がると思えば……ね、アディ。彼女の境遇は重いものがあると思うけれど、いつきの言葉を聞いたいまなら……そう思いたくなりました。
続きがとても楽しみです。
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三田 誠
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