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[三田誠] レンタルマギカ 魔法使いの妹

「やっぱり、アディリシアさん、兄さんのことが好きなんですか?」
不意に、トンデモナイことを義妹が訊いた。
「なななななななななななななななっ!何が一体!そんなとととととととんでもないことを考えさせるんですか!いやその私はあなたはイツキのことなんてそれはもちろんいいえまったく好きだとかどうだとかそういうことがどうして分かりますの」
「そりゃ分かりますよ」
あっさり勇花は言い、さらに爆弾発言を投下した。
「あたしも兄さんが好きだもの」

魔女、陰陽師、錬金術師などなど、複数の魔術系統を集めた魔法使い派遣会社「アストラル」の物語。今回は日常方面のアストラルを描いたお話が三編と、次のお話へと続くお話が一編収録されています。

  • みかんの担任がアストラルへやってきた?「魔法使いと家庭訪問
  • 夏休みを利用して、いつきの義妹がアストラルを訪れて……「魔法使いの告白
  • 突然、穂波が夏休みをとると言い出して……「魔法使いの夏休み
  • <螺旋なる蛇>の求めてやまない赤い種のありかが明らかになる「魔法使いと盲目の蛇

ドタバタで楽しかったのは「魔法使いと家庭訪問」ですが、いつきの義妹・勇花が嵐のように吹き荒れる「魔法使いの告白」も楽しかった。いつきと違ってしっかりものなので、みんながタジタジになっちゃうところが笑えますし、いつきの彼女チェックするところとかもいいですね。そっち方面鈍いいつきを差し置いて、すぐさま見分けちゃうところが、素晴らしい。

それにしても、勇花が持ってきたちょっとした依頼が、あんな結末を持ってくるとは思わなかった。妖精眼にはどこまでの力があるのか計り知れないだけに不安になりますね。思わず、抱きしめてしまったアディの気持ちが良くわかります。
こういう人を好きになってしまったアディは大変だなあと思うけど、同じように好きな気持ちを持ってる勇花もまた、妹の強さを見せてくれて。この二人が仲良くなるのは、ある意味当然か、とニヤニヤしました。

個人的に意外な気持ちになったのは、「魔法使いの夏休み」ですね。穂波って優等生なところがあるから、「目標」について迷うってことが意外だったんです。
でも、経験を積んでるとはいえ、まだ高校生ぐらいの年齢なんですよね。周囲の人が目標を定めて動いてる中、自分は?と迷うのは、ある意味当然なのかもしれません。

命の洗濯じゃないですが、仕事を離れて、自分を見つめなおした穂波が見つけた目標に、とっても温かいものを感じた自分がいました。このお話、好きだなあ。

さてさて、「魔法使いと盲目の蛇」で、アストラルというより、いつきに対して、なにやらきな臭いものを感じるものがありましたが、ここまできたら、<螺旋なる蛇>は、いつきを狙い始めますよねぇ。アストラルの平和が崩壊する日は近いようですが、がんばって切り抜けてほしいものです。

レンタルマギカ  魔法使いの妹 (角川スニーカー文庫 177-14) - 三田 誠

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