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[椎葉周] アンジェリック・ノワール (2) パラダイス・リゲインド

先日捕らえた〝天使〟たちの解放を求めて、チャイニーズ・マフィアのアンディが、ギンさんに脅しをかけてきた。彼らの言葉を聞いて、ギンさんは動き始めたのを見て、このままでは危ないと思った僕は、仲間を集めて、これからどうするかを考えあった。まずは、身を守るための準備をはじめることになったが、ちょっとした出来事からヤヨイが、僕らに女をあてがおうと考え始めて……

宇宙人によって〝天使〟の力を手に入れた者たちの戦いを描いたお話です。このお話のいいところは、〝天使〟なる反則的な力があっても、力はただの力でしかなく、強くなるためには、地道な努力が必要であるところをきっちり書いてるところですね。鍛えるためのシーンは、ページ数で言ったらそれほどでもないんですが、ぎゅっと濃縮されているので、筋肉を苛める苦しさが伝わってきます。

苦しさを乗り越えていくことで、気弱だったヤマネも力だけじゃなく「心」も強くなっていく過程が見えましたし、悔しさをバネにひとつひとつ弱さをつぶしていくところとか、スポコンっぽくて面白かったです。頑張る姿が伝わってくるっていいですよね。男と男の友情もまた熱いです。

気弱なヤマネが、「女」に対して幻想じゃないけど、そういったものを持っていることから、各メンバーに女をあてがおうとするヤヨイもヤヨイなら、好みの女性の希望を出すマスターもマスターです。「マチルダさん、セイラさん、エマさん、ララァさん、ハマーンさま辺りをたして割らず」って、どれだけ二次元なんだよ!ここまでくるといっそ清々しい。

無茶苦茶な要望から、ヤヨイがどんな女性を引っ張ってくるのかと思ったら、とてもまともで、マスターよりもユースケが惹かれてしまうところがいいですね。普段、男らしいユースケですが、女に慣れてないこともあって、緊張しっぱなしな姿には笑いが止まりませんでしたが、失敗して落ち込むところは、痛感させられるだけに笑えない自分がむしろ笑えない。

さらには〝天使〟たちとの争いもあって、どうなるかと思いましたが、仲間の後押しもあって、再び彼女の元へと向かう姿は……、いやあ青春っていいですね。っていうか、お父さんってあなたですか!?というのはお約束過ぎて驚きましたけど。

一度やられた相手に、それもかなわないと痛感した相手と戦うラストは、覚悟やら緊張感やらで、いっぱいいっぱいなところが伝わってきましたが、それでも立ち向かう勇気は、まさに仲間がいたからこそ、なんでしょうね。〝天使〟としての力は今回ほとんど活躍がありませんでしたが、心が伝わってくるお話でした。
新たな恋もまたよろし。

いくらなんでもあの状態で、きっちり逃げられるなんて、お約束にもほどがあるような気がしますが、次辺りでカンフーの達人との対決や下手したらもう一人の宇宙人マリコとの決着も付くかもしれませんね。これは大いに楽しみです。

アンジェリック・ノワール 2 (2) (角川スニーカー文庫 130-22) - 椎葉 周

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