「人間を呪うのは同じ人間だけ……か」
知識と書物をつかさどる悪魔の名を冠した幻の図書館「ダンタリアンの書架」を受け継いだ青年ヒューイと黒衣の美少女ダリアンが、この世に本来あってはならない封印された書物―幻書と、幻書を手にした者を追うシリーズの第二弾。今回も連作短編形式で語られています。
幸せを求めて手に入れたはずなのに、幻書が見せるのはやはり幻なのか。自業自得というのは、やるせない結末に胸が痛くなるものがあります。
そんな中、持主が等価と思うものを物々交換していくことで、いかなる財物をも手に入れることができる幻書「等価の書」をヒューイの幼馴染のカミラが手にして、物々交換を始めてしまう物語は、とても良かったです。人によって物の価値は異なるけれど、ゴミと思えるものでも命と同じぐらい大事にしているのであれば、差し出すのは命しかなく。そんな危険極まりない幻書を使った彼女の結末は、なるほど!と思わずポンと手を打ってしまいました。無欲の勝利じゃないですけど、幻書そのものに囚われないからこそ、ああいう発想ができるんだろうなあ。
彼女が最後に手に入れた光景は、お金じゃ手に入らない素晴らしさですよね。
それにしても、ダリアンのツンな可愛さは、今回も素晴らしかった。吊り橋を渡るときや、とある屋敷で一人で寝るとき、怖さを必死に隠す姿も良かったけれど、一番はやっぱり髪型を変えるところかな。ヒューイの気を引くために、そしておそらくはヒューイを元気付けるために、不器用な彼女が一生懸命頑張ったことを思うとニヤニヤが止まりませんね!
最後の一編は、前作同様ダリアンたちではない幻書に纏わるものたちのお話でしたが、戦時中の飛行士たちの戦いの中で描かれる幻書らしきものが生み出されそうな静かな狂気は、とても魅力的でした。個人的にはこの話はもっと長い物語で読みたかったなあ。
前作の焚書官同様、いつかこの辺りの人たちとヒューイたちは遭遇することがあるんでしょうか。ドキドキしますね。
ダンタリアンの書架2 (角川スニーカー文庫 123-22)
三雲 岳斗
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- 11月にこちらで紹介した三雲岳斗先生の小説「ダンタリアンの書架」ですが、早くも第2巻が登場したので紹介いたします。








