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[神坂一] DOORS ドアーズ 2.新たなる敵を修繕せよ

「なんでゴールデンタイムに怪談系の番組しかやってないの?」
「なんでって……TVに怪談が蔓延しているのはアレ。地球温暖化の影響」
「そっかー。地球温暖化かー。
いやまあどんなことだって、地球温暖化のせい、って言われれば信じそうになるけど、関係ないよね。怪談」

妹がリスであったり、梅雨になると奇妙な植物が生えたり、地球温暖化の影響でTVが怪談系の番組ばかりになったりと、「普通」がおかしくなっているのに、誰も疑念を抱かなくなってしまった世界。それを元に戻すには、異世界の歪みを治さないといけないってことで、元の世界のことを覚えている美弥が、リスとなった妹と共に、世界を修繕しているというシュリンについて、異世界のドアをくぐるお話の第二弾。
今回は、異世界の人との対決よりも、妹とのお話や、修繕を邪魔するプロフェッサーM、レンチやシュリンのお話が描かれていました。

相変わらず楽しいなあ。いきなりのナウシカネタは、コーヒー吹きましたよ。要所要所のネタの爆発力は、素晴らしいものがあります。ただ、前作よりややシリアス方面が強くなってたかな。

世界を元に戻すという、美弥からしたら、それが当たり前だけど、今の世界を当たり前と思ってる妹の智沙からしたら、元に戻る反動を不安に思うのは分かるなあ。でも、あのとき、美弥との間に溝が出来たのは、お姉ちゃんが心配だったからなんですよね。

認識の違いからすれ違いが生まれてしまったところには、切ないものがあったけれど……だからって、百物語で勝負はないよ!いや、面白かったけど。面白かったけど、うーん、でもこの姉妹喧嘩っぽいところは、もうちょっとちゃんと決着つけてくれたらなあと思ったり。

今回一番面白かったのは、表題作「新たなる敵を修繕せよ」かな。修繕を邪魔するプロフェッサーMによって、異世界から戻れなくなってしまった三人が……ってお話なんですが、ここで活躍するのがSFだとは思わなかった。

「あんたいいSF持ってるじゃねぇか」

そんな感じでSFが活躍するお話です。いろいろ間違ってるけど、すごい面白かった。

どのお話も楽しませてくれるだけに、本作で完結ってのは、すごい残念です。まさかレンチが……とか、まさかシュリンが……ってところが見えてきて、もっと話が広がっていくのかと思ってたのにー。
最後がちょっと盛り上がらなかったかなと思うんだけど、でも、こういう終わり方をしたから「普通」の大切さが見えてくるんでしょうね。

ちょっと切ない智沙の思いが見えましたが、お姉ちゃんと一緒なら、きっと……ね。

ドアーズ 2 (2) - 神坂 一

ドアーズ 2 (2)
神坂 一

角川書店(文庫)
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