「私は人間を愛していたんですよ。弱く、愚かで、ずるい人間を憎みながら、見捨てきれなかった……いっそ、憎んで見捨てられたら、どれだけ楽だったでしょうね」
争いの絶えない大国レーンドラとユハリシュが、厄災の危機を乗り越えるためには、<レーンドラの宝>しかない。二国間の間に、本格的な戦争が始まる中、アゼルたちは、宝のありかを目指したが……シリーズ最終巻。
ひどかった。「冴木忍作品で星の大地をオススメするのは、ヒドイ冴木忍ファン」と言われてる意味がよくわかりました。何この救えない、しかも更なる絶望を思わせる終わり方は……
始まりからすごくて、剣の世界に、科学というか銃が入り込んだら、どういう戦になるかなんて火を見るより明らかでしたが、その悲劇すら軽々と超えるんだから、恐ろしい。過ぎた力を、ただ自らの欲のために……。
明らかになる真実と、冷酷に見えた宰相と女王の現実を見据えた目に、理想を語る者たちの青さと、統治するものの不器用さを思う。
そして、預言者が告げた言葉からの展開は、なにー!と思ったけれど(いや、宝の時点であれだけど)、最後の希望にホッとしたのもつかの間、アゼルたちからしたら、いままで自分たちが嫌悪していた手段を取らねばならぬことになるとか、もう心が痛くなるばかり。
その上、血を吐くような決断すら、人間の身勝手さから報われなくなるんだから、遣りきれないです。
何より……って、ちょっとネタばれになるので、あれですが、
生きる力といえば聞こえはいいけれど、この、全てが終わった世界で生き残ってしまった人は、ほんのわずかな、おそらく辿り着けないことがわかっているであろう希望に縋って、生きていくなんて……。この時点で死んだ方が、楽だと思った。
暗い終わり方だったけれど、ここからさきの未来の方が、さらに深い闇のようになっていくことを予想させる終りに、気落ちさせられる。
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Comment:2
- ft 2010-06-16 (水) 02:24
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最終巻にたどりつかれましたか。お疲れ様でした。
発売当時とっても「話題」になりました。
作品としては優秀だと思うのですが、読後のやるせなさがたまらない一品です。1,2巻が普通に面白いだけに余計につらいですね。
第1巻の感想が掲載されたので、あー・・・と思いながらフォローさせていただきました。
読了までネタバレするわけにもいかないし。「風の歌星の道」、卵王子カイルロッドシリーズ、
最近の作品では「ドラモンド家の花嫁」などは明るくホロリ系でおすすめであります。冴木忍を見捨てないでやってください(苦笑
- deltazulu 2010-06-16 (水) 20:46
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リアルタイムに読んでたらどうなったか……勧めてくれた人のニヤニヤ顔から、読む時に身構えてたのにショックでしたからね。
既に読んでる人は皆あー……と思いながら見てたみたいです(笑)冴木忍作品は、カイルロッドも読んでいて、ショックなところがいろいろあって、ついつい身構えるようになってしまってますが、面白い作品をみせてくれるので、これからも追いかけていきたいと思います。








